"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

twnvday

20131115 --742

「みかんくれ」 こたつのかどで わがこたつ #twnvday #twnovel posted at 00:21:19

20131115 --741

暗赤色の瞳が闇に浮かぶ。四本の足が周りを囲み、柔らかい体皮が覆い被さるように長く垂れていた。古くから住む妖怪で、主に人間を餌とする。魂まで抜き取る様子から土地の者は「魂脱」と呼び恐れていたが、調査した学者の聞き間違いから「こたつ」として世…

20130814 --724

いいねこの缶詰 #twnovel #twnovel7 posted at 15:49:35 お題は「猫」。

20130614 --710

カップを覗くと、コーヒーとミルクが交互にぐるぐると渦を巻いている。やがて境界線は混ざり、溶け合い、新たな色に変わっていく。「わたし達みたいよね」唐突の呟きに隣で読書中の貴方が不思議そうに視線をこちらに向けた。わたしは笑って言う。「これから…

20130614 --709

気がつけばそこは始まりの場所。散々迷ってあちこちに行けども、結局はここに戻ってくる。どんなに足掻いてもどこにも辿り着けないのなら、最初から動かなければいい。動くだけ無駄じゃないか。だが。しかし。そう思いつつも、どうしても、歩き出す。手を伸…

20130321 --691

忌々しくも、今、居間にいます。イマジンじゃねえよ、単なるヒマジンだよ。 #twnvday #twnovel posted at 22:31:45 「今」っていうお題候補があったんだったかな。 - うん、イマイチ #twnvday7 posted at 22:33:35

20130314 --685

羨んではいけない。羨んではいけない。だけど、なんで、いつも傍にいられるんだ。途方もないような時間の果てにようやく辿り着けたと思ったらまたすぐ離れていく僕とは違って。ああ、まただ。また離れていく。後ろ髪を引かれる思いで、終わらない孤独な旅は…

20130314 --684

箒星の話なんて書けないので放棄して蜂起した時に使った箒干してきます。 #twnvday #twnovel posted at 01:32:40 お題は「箒星」。

20130214 --671

「夫婦漫才は『ふうふまんざい』か?」「藪から棒だな」「ふと気になって。読み方がさ。『めおとまんざい』?」「そうじゃねえの?」「だとすると、あれ? 昨今流行ってる女子会って『おなごかい』にならねえ!?」「……。まあ、そう読みたきゃ読みゃあいいさ…

20130213 --670

かつてこれほど壮大なスケールのバレンタインがあっただろうか。そしてそれは、チョコレートではなく、驚愕を齎しにやってくるのだ。人々は熱い眼差しを以って迎えるだろう。『2012 DA14』。それが、衛星軌道よりも内側を駆け抜けていく小惑星の名前だ。 #tw…

20130114 --648

「足手まとい、ですか」俺のあとに続く幼子がポツリと呟いた。おい、俺は声に出して言ってねえぞ。「すみません、迷惑ですよね、わたし」振り返る。世の画家達が見たら思わず筆をとるに違いないと思わせるほどの、見事なしょんぼりとした表情の幼子が立って…

20130114 --647

「大人しくしろ!」「難しいです」「何故だ!?」「僕、子供ですし……。大人らしくは難しいです」「ちがーう! 大人しくだ! お! と! な! し! く! ああもう大人しくしろって!」「さっきから駄々こねて叫んでいる大人の貴方のほうが子供みたいです」 #tw…

20121214 --617

ドラゴンのレリーフも美しい銅鑼がごーんと鳴ったんじゃよ。 #twnvday #twnovel posted at 00:56:31

20121214 --616

試験官は差し出された紙を受け取ると一瞬視線をそれに落とした。「白紙、ですね」確認する。「はい」当の受験生はこともなげに頷いた。「何も見えませんでしたので」受験生の持つ水晶玉がきらりと光った。首都魔法院占術者採用試験の合格者が決まった瞬間だ…

20121115 --604

或る者は願う。幻でもいい、幻でもいいから会いたいのだ、と。また或る者は願う。話せぬのなら、触れられぬのなら幻などいらぬ、と。今宵新月、空は雲に覆われ星の光もない闇夜。馬を走らせ往く黒衣の騎士の前に、音もなく舞い降りたそれは、はたして幻か、…

20121115 --603

神よ許し給え。たとえ幻であろうと、いや幻とわかっていながらも、かつて死に別れた愛しき者を前にして平静を保てぬ愚かな我を許し給え。わかっている。わかっているのだ。これが悪魔を祓いに来た我を阻まんが為の罠なのだと。だが、しかし。……しか……し……。 …

20121014 --595

酒器一式を男の傍に置くと、待月堂の堂主は一礼してその場を辞した。いつもなら部屋の隅に控えて世話をするのだが、今宵の訪問者はひとりを望んだ。新月間近の夜、空には雲が広がり、所々で星が瞬くのが見えた。風は、遠くの薄を僅かに揺らした。 #twnovel #…

20120914 --584

世界を漂う。それはまるで目覚めようともがく終わらない悪夢の中。 #twnvday #twnovel posted at 23:03:59

20120914 --583

時を漂う。それはまるで目覚めを知らぬ永遠の夢の中。 #twnvday #twnovel posted at 23:02:44 ついのべの日のお題は「目覚め」

20120814 --573

影よ、何故逃げる。何も取って食おうというわけじゃない。一度でいいから、お前に触れてみたいのだ。そら、もう手が触r――。――いけません、いけません、わたしに触れてはなりません。あなたが怖いからではありません。わたしに触れたらあなたは……あああっ。 …

20120814 --572

壁に映る己が影に遠き昔離ればなれになったあなたの面影を見た。懐かしき思いが暫し、しかしそれもすぐになかなか辿り着けぬ故の焦燥に取って代わる。窓辺から今宵偶然連なった三つ星を見上げ、僅かな期待を込めて祈る。愛しきあなたの、その傍らに、いつか―…

20120814 --571

彼の地より来たる、琴爪弾く吟遊詩人あり。浪々奏で蕩々歌う。目を瞠りしは其が影なり。歌に合わせて形変え、或る時は英雄が剣を振り、また或る時は男女の恋を悲しく物語る。まこと面白きものなりと、噂忽ち風に乗り、四方八方普く方角より人を呼び寄せた。 …

20120714 --569

思いは、地上に届かない花火の燃え残りのように。 #twnvday #twnovelposted at 23:35:10 今月のお題は「花火」でした。

20120614 --566

お遣いからの帰り道。突然ざんざか雨の降る。古い社の軒下で暫くいさせて下さいと挨拶済ませて待ちぼうけ。いつの間にやらお隣に二本の足で立つ狐。おやもしかしてと包みからお揚げを一つ差し出すと、コンと一鳴きドロンと消えた。おやおや空を見上げると、…

20120614 --565

僕が生まれる前から家にいた猫のチビが今朝から姿を見せない。お母さんは、もう二十年も生きた子だから死期を悟って出てったのかもと寂しそうに言った。実は僕、昨日の夜、窓越しに機嫌良く歩く猫を見たんだ。チビに良く似た、ううん、きっとチビなんだけど…

20120514 --545

空から恋石が落ちてきた。 #twnvday いや、落ちてきたはずだった。「え、ちょ、お、おおおい!」落ちてくる恋石を手で受け止めようと差し出したら手のひらに収まる寸前にカクッと90度カーブしてどこかビルの向こうに大急ぎで飛んでいった。俺の恋は始まりも…

20120416 --536

今年は仕事が忙しくて花見にいけなかった。そんな僕に実家から小包が届く。旬の食べ物の他にはやけに軽いがぱんぱんに膨れた紙袋。不思議に思って封を切るとぱぁん! と破裂した。僕の部屋と視界は、一瞬にして薄紅色に支配された。やられた。そうだよ故郷の…

20120315 --532

花が降る。雲厚き空より花が降る。風が吹けばあっけなく、あれよあれよと飛ばされて、吹かねば吹かぬで思う通りに進めない。あな愛おしやと手に取れば音なく崩れ、運良く地面に落ちたとて、融けて消え往く悲しき運命。冬の名残のぼたん雪。春が来るまであと…

20120314 --531

花を咲かせるか、花を散らせるか、それが問題だ。 #twnovel #twnvdayposted at 01:06:52 今月のお題は「花」。

20120215 --512

友達に渡すはずのギャグで作った義理チョコをド本命の彼に渡したと判明したのは、いざ友達に渡そうと取り出した瞬間だった。もう開けちゃった? 開けちゃったよね? って悶々としてもしょうがないので、思い切って携帯に電話。繋がった瞬間、叫ぶしかなかっ…