"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

20120123 --500

カフェで彼女とラテを飲んでいた。『このメールはふこうのメールです』不意にそんなタイトルのメールが携帯に届く。訝しげに差出人を確認すると、なんとすぐ目の前にいる彼女から。確かに今携帯をいじってたなと思ったが、なんだ? 内容を見る。「鼻の下に、…

20120122 --499

暮れ時の鐘は明け時のそれより遥かに強く撞き鳴らされる。音の届く範囲が結界される為だ。もちろん、これから妖魔跋扈する夜の到来を告げる為でもある。辻ごとに音叉が設置されており、響き渡ってきた音を増幅させる。範囲になるとはいえ効力が薄まりがちな…

20120122 --498

街道を大型の長距離馬車が進む。都市と都市を結ぶそれは、いつもなら満席でそれなりに賑わうのだが、今はただ二人の乗客を運ぶのみ。馬の蹄が地面を蹴る音と一定のリズムでがたつく車輪の音が、青空に吸い込まれていく。それ以外の音はなかった。風も、空を…

20120114 --497

首都魔法院主催の星見試験、毎年ある採用試験なのだが、合格者は数年に一人しか出ないという超難関だ。今年も数十人が受けるらしいが、はたして何人が筆記をパスして実地に進めるか。気象予言局の情報では実地試験予定日の天候は晴れ、良い星見日和になるら…

20120113 --496

今日は十三日の金曜日。この日の為に押入れからコスプレに使えるものを出してきた。服は、まあ普通のでいい。お面、これ大事。ホッケーのがないからこの角二つついたやつを使う。チェーンソーか……。危ないから代わりにバットでいいや。「ねぇパパ。節分はま…