"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

20130208 --666

天気予報という言葉は姿を消した。科学の発達で地球の天候は完璧に制御できるようになり、国連の機関「世界天候委員会」が運営を行っている。システム管理者は一見ごく普通の太ったおじさん。頭はアフロで、二箇所に突起物が見える。虎縞のスーツがトレード…

20130208 --665

天気予報という言葉は姿を消した。科学の発達で地球の天候は完璧に制御できるようになり、国連の機関「世界天候委員会」が運営を行っている。『**の天気は晴れ。所により血の雨が降ります』システムの故障を疑われたそれが、凄惨なテロの予言とわかったのは…

29130208 --664

天気予報という言葉は姿を消した。科学の発達で地球の天候は完璧に制御できるようになり、国連の機関「世界天候委員会」が運営を行っている。ある日世界中の雨男と雨女が一箇所に集められた。それは制御システムの託宣。天候制御におけるノイズを物理的に排…

20130208 --663

天気予報という言葉は姿を消した。科学の発達で地球の天候は完璧に制御できるようになり、国連の機関「世界天候委員会」が運営を行っている。「今日こそは……」委員会の所有する制御システムに、果敢にハッキングを試みる少女がいた。「もう、雨女だなんて言…

20130208 --662

天気予報という言葉は姿を消した。科学の発達で地球の天候は完璧に制御できるようになり、国連の機関「世界天候委員会」が運営を行っている。某国某市の雑居ビルの一室に、それはあった。からんころ〜ん。下駄が音を立てて世界地図の上を転がる。「……エジプ…

20130207 --661

眠れないのでPCいじってたら携帯にメール着信。後輩から。内容は一言。んだよ気になるじゃねえか。履歴から番号を探してかけた。「どうした?」電話の向こうは何故かうろたえていて、それが妙に可笑しかった。「ん? おう、おやすみ」誰かに、そう言いたい夜…

20130207 --660

送信ボタンを押した。メールの内容は一言。『起きてます?』まあ寝てるだろうと苦笑しつつ携帯を置こうとしたら着信音が鳴った。メールじゃ、ない。「どうした?」かかってきたらかかってきたで反応できずに狼狽する。「あ、いえ。あの……おやすみなさい」「…

20130207 --659

寒い夜、冴えた空気が見事な星空を作り出す。じっと眺めていると空に溶けてしまうのではないかと不安になる。今こそここに、いて欲しい、貴方が必要なのだ。と、それはきっと願うことすら罪深い。先に手を離したのは、自分なのだから。しかし。それでも。赦…

20130205 --658

「寝ないんですか?」焚き火に枯れ枝を加えていると、火を挟んだ向こう側から声をかけられた。「あ、起こしちまったか。すまん」モゾモゾと毛布の塊が起き上がると、ぽこっと小さな頭が現れた。「気にかけてくれてありがとな。ま、俺は大丈夫だから寝直して…

20130205 --657

眠る君の髪に触れたくて、そっと手を伸ばす。掬い取った一房は、しかし君の僅かな身動ぎでするりと逃げる。秘密の花園の奥の奥、茨に守られた館の主は未だ眠りから覚めない。目覚めの儀式はとっくに終わっていて、呪いももう解けている筈なのに。王子の溜め…

20130204 --656

「ならば人よ、物語れ。汝の内に秘めたる世界こそ真に世の求めるものと知れ。口の端にのぼるも、紙片の隅に書き殴るも、電網でさえずるも良し。問題は手段ではない。その、あらわされる世界なのだ!」「……なあこいつ寝ながら力説してるぞ」「ほっとけ、そん…

20130201 --655

寒い夜。狭い部屋の薄い布団に、身を寄せ合って暖をとる。暗い部屋の、遮るもののない窓から見える明るく広いあの街に、いつか行ってみたいねと、語る希望は強く大きく。やがて来る日に期待寄せ。そうしてひとしきり言葉を交わすと、迫る眠気に身を委ね、お…

20130201 --654

1月よ、なにも最終日ギリギリ、あと数分で2月というその瞬間に暴れなくても良かろうよ。おかげで最初に考えてたついのべが頭からすっ飛んでいった上にTwitter自身も鯨がしばらく陣取るハメになってしまった。ん? 来たか2月。スタートから波乱だが1ヶ月よろ…

20130131 --653

「では、おやすみなさい」と言い、幼子は毛布をかぶった。小さく丸まっている様はさながら闇に怯えながら眠る小動物のようだ。本来ならば暖かい家の中で、母親の優しい子守歌に包まれていてもおかしくない年頃だろうに。本人曰く、母親とは死別、先日まで首…

20130130 --652

仔羊達よ、眠りなさい、眠りなさい。その眠りは次の朝日を受ける為の大切な儀式。決して疎かにしてはいけないものです。大丈夫。貴方達が安らかに眠る間、勇敢な月と星が夢を守ってくださいます。次に目が開くのは太陽の兆しが東の空を染める頃。それまでゆ…