"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

20091031 --103

おはようございます。今日も元気に出勤ですか。大変ですね、年中無休。……え、休日もあるにはあるんですか。7月と8月と1月にちょっとずつ? あー、盆と正月。その間はさすがに死神さんもお休みなんですね。っと仕事に行かれるんでしたね。すみません。今開け…

20091031 --102

ドンッ! どこからか爆発音が聞こえた。ああ、誰かハロウィンで来た子にお菓子をあげなかったんだな。今年はわざわざ注意喚起の回覧板まで出たのに。「本年のハロウィンでやってくる子供達は、優しい赤鬼の子ではなく凶暴な青鬼の子です。注意してください。…

20091030 --101

「俺さ、武田鉄矢にやって欲しいって思ってることがあるんだよ」「何だよ唐突に」「バチカン市国に行って、システィーナ大聖堂の前でさ」「ほう」「『このバカチンがー!』ってやって欲しい」「は……?」「いや、だからシスティーナ大聖堂の前で『この、バカ…

20091029 --100

馬鹿な。アレが神の祝福なものか。作ったモノが意にそぐわぬからと、その力を奪った挙句人間に魂を封じ込めやがった。ヴェンテーラなど、かわいそうに、魂を2つに裂かれた上でだぞ。この世界を創った狂ったヤツの行為が、神聖なる《創世記》として伝えられて…

20091029 --99

神様が去った世界で、人間達はよく信仰し、教えをよく守り、力を合わせて生きていきました。別の世界から攻めてきた魔物妖物とは《四神竜の血に連なる者》を中心に戦って追い返しもしました。幾多の困難を乗り越えつつ、人間はついに世界で一番幸福で繁栄し…

20091029 --98

神様は帰ります。神様が生まれた原始世界に。そこは個が融け全になる、謂わば存在自体がひとつの世界。稀にある外部からの刺激によって飛び出した泡が神様になる、孤独であって孤独ではない場所。今融けた神様の経験は世界に蓄積され、原始大綱に何らかの変…

20091029 --97

神様が去っても世界が闇に包まれぬよう、昼に太陽を、夜に月を作りました。更に四神竜の力を4つの大きな石柱に宿して世界の要に据え、その力を引き出せる人間を《四神竜の血に連なる者》としました。そして神様は言いました。「幾久しい幸福と繁栄があなた達…

20091029 --96

当初の目的から離れてしまって残念に思いましたが、神様は人間も四神竜も咎めませんでした。作ったものが創造主の意を超える経験など滅多に得られないからです。そう、残念に思う以上に嬉しかったのです。神様は、世界を四神竜と人間達に託し、元いた世界に…

20091029 --95

人間はもう、ただ神様だけを慕い愛すことはしなくなりました。信仰厚き善き者達ではありましたが、人間同士で愛し合い、語り合い、生きるようになりました。それは人間が「自由」を手に入れたからです。神様は思いました。「どうしてだろう。独りの時より、…

20091029 --94

月を見ていた。耳にかかる熱い吐息も、普段なら嫌悪する太い指の感触も、どうでも良かった。見上げた窓に浮かぶ月の蒼さが気になって仕方がない。何一つ反応しない事に苛立つ男が余計激しくしてきても気にならない。興を殺がれた男がその場から立ち去っても…

20091029 --93

おはよう。おはよう。今日も張り切っていきましょう。ビジネス街の往来で、彼女は道行く人に声をかける。おはよう。おはよう。そこのあなた、今日は車に気をつけて。あなたは電車に気をつけて。おはよう。おはよう。未知行く人に天使は声をかける。今日も張…

20091029 --92

戦場に雨が降る。壮絶な戦いの果ての、見渡す限りの死屍累々。折れた旗。地面に突き刺さったままの刀。力尽きた馬。先刻まで聞こえていた怒号も、今はない。攻め手も守り手も壊滅状態に陥り、生き残った者は死者を連れ帰ることもできずに撤退した。そんな戦…

20091029 --91

幸せそうな一家の傍に猫がいた。路地裏で寒さに震えるストリートチルドレンの傍に猫がいた。恋人達の甘い語らいの傍に猫がいた。別れに咽び泣く女の傍に猫がいた。乳母車を押す優しげな母の傍に猫がいた。葬列の傍に猫がいた。あなたの傍に猫がいた。わたし…

20091028 --90

ざっざっ。荒野を貫く一本の道を、列を成して軍隊が往く。黒い軍帽、黒い軍服を着込み、黒い軍靴の音も高らかに、往く。肩に銃をかけ、手足振り上げる角度も揃え、往く。誰もが無言、誰もが無表情、足許に咲く花に目もくれず、往く。東方で恐れられた死神軍…

20091028 --89

その月界人はナミと言った。ハレとは幼馴染だそうだ。「カグヤ先生怒ってたよ。操船演習で月光路から転落してしかも船を壊すとか前代未聞だって」「シールドしてるはずのエンジンにまさかレゴリスが入り込んでるなんて誰も思わないよ!」「それただのメンテ…

20091028 --88

「俺は最近、フォロワー一覧を見るたびに思うことがある」「聞こうじゃないか」「何かあるたびに、何度も何度も健気にフォローしてくれるブリトニーに、いつか恋するんじゃないかって」「それだけはねえな」 #twnovel posted at 01:16:02

20091028 --87

村外れの入り江の外海側、岩場にうまく隠れるようにしてその洞窟はある。「月光路って昼でも使えるんだな」入り口にいた五郎左が、空に浮かぶ昼の月を眺めながら呟いた。「光が足りなくて安全ではないから、本当は夕方を待つものなんだけどね」修理に使う道…

20091028 --86

「恋の話かあ、、、。昔そうめん食べてた時に、希釈しなきゃいけないつゆを母さんがそのまま出したことがあってな」「父ちゃんそれ濃い話や」 #twnovel posted at 00:44:33 まさかの赤ふぁぼw ありがとうございます(^^;;;

20091027 --85

人間は男と女になり、子供を生みました。ひとりふたりと増えていきます。時が経ち二十人程に増えた頃、ようやく神様が目を覚まし、世界は再び光に満ち溢れました。神様は人間が増えている事を確かめ嬉しそうに歩み寄りましたが、人間達は人間同士で楽しげで…

20091026 --84

神様が休み、世界は闇に包まれました。四神竜は人間に性別を与え、さらに祝福(地を司るマドレーテラが慈愛、水を司るオセアーノが寛容、火を司るフィアーマが勇気、風を司るヴェンテーラが自由)を授けました。性別と祝福の授与が終わり、あとは神様が目覚…

20091026 --83

性別を与えて増やすにしても、もうひとり人間が必要です。神様は自分の複製を新たに1体作りました。自分の複製を2体も作ったことでさすがに疲れてしまった神様は、最初に生まれた4匹の竜《四神竜》を呼び出し、自分が休んでいるあいだに人間に性別を与えてお…

20091025 --82

奇跡の大部分を封じている為、人間はいつか老いて死にます。基礎螺旋の寿命制限を解除するのは難しく、失敗すると人間が人間でなくなる可能性がありました。折角できた話し相手を失いたくない神様は制限の解除に代えてこれまでなかった性別を与えて人間同士…

20091025 --81

神様は喜びました。ですが生まれたばかりの人間は何もできません。神様は生きていくための信仰と言葉と知恵を人間に教えました。人間は優秀ですぐに覚えて使いこなすようになり、やがて立派な神様の話し相手に成長しました。時が経ち、困ったことが起きまし…

20091025 --80

自分の魂と肉体を複製してみよう。しかし全て自分と同じ者では神が複数になってしまう。神様は一つの世に唯一無二と原始大綱にあります。そこで神様は複製した魂と体が持つ奇跡の大部分を、体を構成している基礎螺旋の中に封じ込めました。今度はうまくいき…

20091025 --79

次に神様は作った者に自分の魂を分け与えてみましたが、今度は体が魂に耐え切れず死んでしまいました。また神様は死んでしまった者を焼きました。するとそれは様々な動物と植物になって世界の隅々にまで広がり、生態系を形成していきました。神様は考えます…

20091025 --78

昔、神様は独りでした。寂しくなった神様は自分と同じ姿形の者を作り、話し相手にしようとしました。塵からできたそれは、しかしすぐに死んでしまいました。魂が入っていなかったからです。神様は死んでしまった者を焼きました。燃やされたそれは4匹の竜とな…

20091025 --77

携帯を池に落とした。飛び込めないので困っていると、池の中から女神様が現われた。よしここは先手必勝だっ。「女神様、ふつうの携帯を落としました」「え、ふつうのでいいの?」「? はい」女神様が消えた後、友人に電話をと発信したが繋がらない。「ふつう…

20091025 --76

携帯を池に落とした。さすがに飛び込めないので困っていると、なんと池の中から女神様が現われた。「女神様、わたしauの携帯落としちゃっt」言い終わる前に女神様が怒った。「嘘をつくとは何事ですか! あなたが落としたのは普通の携帯であって英雄の携帯で…

20091024 --75

夜、森で迷うても泣いてはならぬ。叫んではならぬ。悪しき魔女来たりて汝を殺す故。鋭き鎌で森惑う人の首刈る、暗紅の魔女。法衣の赤は哀れな犠牲者の返り血。殺されぬ方法はただ一つ。森の妖精言祝ぐ歌を謳い続けよ。然らば妖精の加護ありて、森より出るま…

20091023 --74

君知るや群青の魔女。海色の法衣を纏う、美しき娘を。魔女が住まうは海の底、色とりどりの珊瑚の宮。人魚の骨で作られし天秤で海中の均衡を量るが彼女の役目。巻貝で鯨の声を聞き、扇貝の聖盤で未来を占う。海で惑う人を救うも務めなれば、漁師からの敬慕も…