"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

20100107 --247

娘に「すみませんねえ、こんなものしか作れなくて」と言ったら「食えりゃあいいよ。あんたにしてはよくやってるさー」と返された。(実話) #twnovel posted at 15:58:17

20091226 --243〜246

ふふふ、甘いぞ嫁。アメリカ領のサモアはまだ25日じゃ。 #twnovel posted at 19:07:42 おじいちゃん、ついにボケてきちゃったのかしら? きっとこのあと「地球の反対側はまだクリスマスじゃよ」とでも言うつもりなんだろうけど、この時間じゃもう25日じゃな…

20091226 --242

通ってる高校に、いつもヨレヨレの白衣を着ている科学の老教師がいる。年末は同僚の教師も不思議がるほど忙しくしているようで、どこか胡散臭く思っていた。クリスマスイブ、教師宅をこっそり見張っていた俺は驚いた。家から出てきた男は間違いなく教師なん…

20091226 --241

変化のない毎日。自問自答を繰り返した。何の為に俺は生きている? 答えはどこからも返らない。だが、いないと思われていたサンタに出くわした日から、俺の運命は激しく動き出した。相棒に向かって、俺は叫ぶ。「この赤い鼻にかけて、サンタを無事子供たちの…

20091226 --240

昨日はクリスマスだった。今日はクリスマスの次の日だ。カレンダーを確認した。うん、間違いない。なのに何故俺の枕元にプレゼントらしき包みがあるんだ。恐る恐る耳をつけてみたら中から時計の針が動く音がする。おいおい、これはどんなサプライズだ? 今年…

20091224 --239

その豪華客船は不意の高波で航行不能に陥っていた。「さあ? 助かるんじゃないですか?」食堂の女中はめんどくさそうに言った。さっきから何度も訊かれてうんざりしているのだ。無責任だろうって? どうでもいいの。手遅れなのよ。船体に穴が開いたってさっ…

20091224 --238

先生の鼻毛はいつもちょっと出ている。いくら切っても必ず1本出てるんだ。しかも、何故か先生の気持ちを反映して、飛び出し具合でサディスティックな気分かどうかがわかる。あー勢い飛び出してるな。そりゃそうか。この2日間胃が痛くなりそうな勢いでワルツ…

20091223 --237

「ママってなんでも知ってるんだねえ」「いや、まだまださ。わからないことだらけだよ。何故我々母娘は何もないところで転ぶのか、未だに謎じゃないか」「あー……」「な? まだまだなんだよ」(実話) #twnovel posted at 11:36:53

20091223 --236

「何故サンタは全ての子供に1つずつプレゼントを渡せるのかだって? 実は世界中の子供にはサンタ専用のICタグ、つまりインターナショナルチルドレンタグが埋め込まれていて、どの子に配ったか配ってないかがズバリわかるようになっているのだ」と娘に説明し…

20091223 --235

「娘よ、慌てて家に帰る必要はない。たとえ君がおばあちゃんちにいてもサンタは必ずプレゼントを届けてくれるのだ。何故かって? サンタはGCPS、つまりグローバルチルドレンポジショニングシステムが搭載されているソリに乗っているからだよ」って娘に説明し…

20091222 --234

ドサリと床に何かが転がる。それは狙撃だった。遥か上空、トナカイに牽かれたソリの上で赤い服を纏う白髭の男――サンタは、煙立つ特殊レールガンを荷台に置いた。そう、撃ったのはプレゼント。見事ターゲットの眠るベッドの横に着地させた彼は、次のターゲッ…

20091221 --233

俺のキャンピングカーは何故か白のガルウィング。両側の扉を開くとまるで天使のようだ。そんな車で向かったのは小高い丘。今日は木星と月のランデブーが見られるとラジオで流れていたから。さてと見上げてみれば、木星と月がかなり熱々な感じだった。……なん…

20091220 --232

賢者は毎夜悪夢にうなされた。世界の未来を、人間の運命を憂うがゆえに。愚者はいたって平穏だった。世界の未来どころか自分の明日すら知らぬ、人間の運命などなるようにしかならぬと思うゆえに。だが愚者は賢者が羨ましかった。うなされるのは、何かを知っ…

20091219 --231

今度この長屋に越してきた女は、前に住んでいた所で男に酷い目に遭わされたらしい。「それでか」大家の言葉に八丁堀が頷く。普段は挨拶もしてくる彼女が、きつい視線で睨んできたわけだ。「ただ、飼っている鳥が可愛かったから声をかけたんだが」不意のこと…

20091218 --230

今日、俺のデビュー曲がショップに並ぶ。まだまだ新人の俺のCDは、きっとそうそう良い位置に置いてはもらえないだろう。だけど……見てろよ。いつか世界中が俺のCDで満たされるくらい売れてやる。俺の魂の叫びを世界中に届けるんだ。さあ世界よ、俺の歌に戦慄…

20091217 --229

昔、森は生きていた。年と共に植生を徐々に変え、生えては伸び、伸びては枯れ、鳥が運んだ種が森のどこかでまた生えてを気の長い周期で行なっていた。今のように斜面一つ山一つに同一種を植えては切りの繰り返しではない。本当の森には変化がある。そしてそ…

20091217 --228

あの夜景が好きと言った元彼女は、別の男と付き合い出したら違う夜景が好きと言っているらしい。畜生、男と共に好みも乗り換えか。昼飯食おうと飯屋で定食頼んだら、おばちゃんが元気がない奴は野菜食えとキャベツを山盛りにしてくれた。……味がしない。いや…

20091217 --227

「知ってるのですか? 眠りの森は普通の森ではありません」「知ってるよ、精霊術師以外の人間は1時間程度しかいられないんだろ。大丈夫」「安易に大丈夫など……。怖い人ですね」「どうしてそう心配してくれるんだ」「だってわたし……いえ、貴方が森から帰って…

20091217 --226

黒衣の君、駆ける。一騎のみで、戦場を縦横無尽に、駆ける。右手には黒い刃の太刀を、左手で巧みに馬を操る。敵陣を、駆け抜けた。刀身が黒い閃光となって敵を薙ぐ。その動きに躊躇など微塵も感じられない。駆け抜けた後にはただひたすらの屍屍屍。一騎当千…

20091216 --225

心底愛した女が死んだ。天使が連れ去った。彼女は天国で暮らす、と。待ってくれ。待ってくれ。行きたがってないじゃないか。生きたがってるじゃないか。心が清いから天国で修行させるだと? 馬鹿野郎それだけで彼女を殺すな。覚悟しとけ天使共。そんな横暴天…

20091216 --224

貴族の男が道に座り込んでいる。「てこでも動かんぞ。ここでお春を待つ!」見れば手に食べ物を沢山持っているではないか。お付きのブリティッシュ・メイドが言う。「旦那様。春さんは先日外国の親戚の方に貰われたと」「来る! お春は約束を守る子だ」「だか…

20091216 --223

ここは魔法学校。触媒魔法の授業中だ。とある生徒が隣の生徒と話している。「昨日思いついた魔法を先生に話したら『触媒には直接触ると凍る卵と千人刺した棘を持つ薔薇が必要ですね』って言われたんだ。どこにあるかな?」「お前それは『その魔法は実行不可…

20091215 --222

彼がそのスーツに袖を通す時、それは執行人として依頼が来た時だ。夜明け前の空のような冴えた蒼い色は執行の場においては恐怖と解放の象徴として畏れられている。最期に見る色は美しいものであれ。彼なりの、それは祈りなのだ。そして彼は今日も大鎌を持ち…

20091215 --221

「博物誌なら現実に在るものだけ載せるべきだ」と抗議しに来た人がいた。存在を確認できないものを載せるなど常識的におかしい、と。「伝承があるじゃないですか」プリニウスはさらりと言った。「存在を確認できないものにも、『伝承』があります。私はそれ…

20091215 --220

新大陸が発見された。一通り調査が終了すると、政府主導で移民団が形成された。初回の移民団が入植して半年。掘っても掘っても出てくる大小様々な石。土より石のほうが多いんじゃないか、こんな所本当に開墾できるのかと呪いたくなる。が、全ては子供達の為…

20091214 --219

一週間後、ルドルフ爺さんが無傷で戻ってきた。相変わらずの鉄人ぶりかと思ったら、どうやらそうじゃないらしい。「詳しくは帰ってから話す」荷物を置くと爺さんは早々に出ていった。政府高官に会うとか言ってたけど、いつもの依頼の完了報告とも何か違うよ…

20091214 --218

それにしても随分と遠くまで来たのね。そう、ここにいたの。確かにこんなに見事な花が咲いていたら足を止めたくなるかな。満足そうね? これまでの道程が実りあるものだったのかしら。ええ、迎えに来たの。おかえりなさい、貴方。――そして天使は桜の下で横た…

20091213 --217

空は、環境破壊に起因する現象から地表を守る為に、随分前に機械で覆われてしまった。空が覆われた後、環境省に勤める主が自分に近づかなくなったことに獣は気がついていた。空が飛べないのは悲しいけど、それを気にして主の態度が変わったことのほうが余程…

20091213 --216

故郷の戦乱が嫌で逃げ出して数十年。ギター片手に平和を歌いつつ放浪した。そして辿り着いた断崖。先には何もない。世界の果てだった。大きな木が一本。沢山の花が咲いている。見とれていると上から声をかけられた。白い天使が舞い降りてくる。そうか。ここ…

20091213 --215

世界の果てに枝垂桜がある。いつどこから種が飛んできたかわからないが、世界を渡り歩く男が二百年前に偶然立ち寄った時には既に大きく枝を張り花をつけていたとのことなので、樹齢は相当なものだろう。そして今年もまた沢山の花を咲かせ、そよぐ風に花びら…