SIDE-DEA
月夜に歌えばしらじらと。雨に歌えばはらはらと。雪に歌えばゆらゆらと。夕陽に歌えばあかあかと。風に歌えばさらさらと。雲に歌えばもくもくと。星に歌えばきらきらと。今日も歌声心地よく、終わらぬ道をただふたり。 #twnovel posted at 18:07:05
運命とは苛烈でしょうか。未来とは暗澹ですか。誰の上にも、どこにいようとも光は注がれるはずなのに、何故我々にそれは与えられないのですか。望むことすら罪ですか。心の中で求めることも許されず絶望を啜り無力を糧に生きろ、と。そんなもののどこが生き…
わたしは月に祈る。その光が照らす先にいるはずの貴方が、道に迷うことのないように、と。運命という重い足枷によりこの夜の底から動けないわたしの許に、鎖を断ち切る剣を携えた貴方が、無事に辿り着けますように、と。わたしは月に願う。それがすべての、…
「大切な人が、昔、あるいは今、もしかしたら未来に消えたの」遠い目をして黒髪の少女は言う。「自分以外の誰かの為に戦って、傷ついて、何があっても絶対諦めない、そんな人。わたし、捜してるの」掌の鍵が怪しく輝き出す。「ここには……いないね」言葉だけ…
徒に過ぎた時間の分だけ、貴方のぬくもりも遠ざかる。現在も、過去も未来も探したけれど、符丁ひとつ見つけられない。己の無力さに肩を落とすわたしの上を、満月が横切ろうとした。思わず掴もうと手を伸ばす。できやしないのに。だから。代わりに。わたしの…
あの人、わたしと同じように月を見上げてくれるかな。時間の流れが違うほど遠くでなければ、きっと今夜は素敵な満月、祈りを捧げたくなるほどの美しい月。本当はね、一緒に見上げたい。でも、わたし、あの人みたいに上手に世界を捲れなくて会いにいけないん…
時を漂う。それはまるで目覚めを知らぬ永遠の夢の中。 #twnvday #twnovel posted at 23:02:44 ついのべの日のお題は「目覚め」
『次に目を覚ます時、わたしは何を見るだろう。繰り返す時の中で、増え続ける世界の中で、たった一つの願いを叶える為に手繰り寄せるこの糸の先は、どこに繋がっているのだろう。どこを通って辿り着くのだろう。……意識が遠のいていく。わたしが、目を覚ます…
蒼い月の下 くるくる踊る 波打ち際を 風と遊ぶ さあ歌いましょう 踊りましょう わたしを探すあの人に わたしが探すあの人に 同じ月の光が 同じ風の歌が 降り注ぎますように 届きますように 見つけられますように 蒼い月の下 くるくる踊る いつか聞いた あの…
あの人は いつかわたしに 追いつくかしら あの人は いつかわたしと 再会するのかしら 流れ行く「時」の中で 無限に分かれていく「世界」の中で どうか 伝わりますように わたしはここにいます あなたを探しています あなたを――愛しています どうか 伝わりま…
ここにはあの人がいるけど わたしの「時」のあの人じゃない でも あの子を見つけた ……そう あなたはまた一人ぼっちなのね 大じょう夫 一人じゃないよ これあげる わたしがそばにいるあかし あなたがまただれかと歩き出すまで これを持っててね わたしが守っ…
拾い集められ まとめられたわたしは 少しわたしを思い出した そしてまず 「時」を知ることから始めた どのくらいさまよっていたのか 今はどの「時」なのか この「時」に わたしのあの人の生きる時間はあるのか そして知った ここにわたしのあの人の時間は そ…
わたしはあの時 なぜ手をはなしてしまったのか あの人を おき去りにして なぜ「時」をさまよっているのか はりを進め あるいはもどし あの人をさがさなければ なくしていたわたしを拾い集め 少しずつ取りもどして あの人に近づけるように あの人に見つけても…
あなたはせかいを わたしは時を 行きつもどりつ さまよいまどい かいこうするは さいはてのだんがいか し原のこう野か どれほどかかろうと わたしたちは 一つにもどり このるてんするさだめ こわさねば このうんめいのわ こわさねば #twnovel posted at 15:5…
なにもみえず なにもきこえず ここは なにもないせかい わたしのいしきだけが たゆとうせかい だから あれからどれくらいたったのかわからない でも よかんがする もうすぐなにかがうごく そしてわたしは いずれかの「とき」へ あのひとは みつけてくれるか…