"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

20121005 --591

辺境警備隊はものの数分で壊滅した。襲撃直後に発した要請に従ってこの辺りを担当する彼らがきたのだが、その予想外に早い全滅は、たとえ増援が到着したところで、守るべき民の損壊した遺体との対面しか生み出しそうになかった。故に、彼女が現われた時の人…

20121005 --590

羽根が落ちている。いや、散乱していると言ったほうが良いか。教会の裏、分け入らねば気づかれない植え込みとの間にそれはあった。大量の血痕と、その中にありながらも赤くは染まらぬ白い羽根。天使の羽根ではないか。誰かがここで燔祭の羊を餌にして天使を…

20121005 --589

おお、御使いよ。天より舞い降りし全権代理人よ。汝、天に坐す我らが神より授かりし知恵以て我が問いに答え給え。何故我らを造られた。我らが自由持ちしを意にそぐわぬと嘆かれ給うたならば、何故この世界を焼き払われなんだ。世界一つ生むも消すも、御手に…

20120930 --588

九月、九月よ……っ! まんまとやってくれたな。八月からの暑さを弱め、そのまま平穏な秋に移ると思ったら最終日に台風なんぞを連れてきおって! 今日が何の日か知っておろうか。十五夜、中秋の名月ぞ! なんてことをしてくれたのだ。……仕方がない。十月の十三…

20120929 --587

丸く満ちかけた月を追うように八頭立ての長距離馬車が街道を走る。天井も高く前後に長いワゴンに、しかし乗客は大柄な若い男が一人のみ。──いや、もう一人。最後尾の乗降口、そのステップに座り足を外に投げ出している金髪の少女がいた。月光を受け、長い金…

20120924 --586

望む世界と乖離する現実に、痛みと嘆きだけが錨となってわたしに立つべき地平線を与える。全なる者よ、完璧なる者よ、請うままに、欲するままに、今また課する試みを、わたしは承けよう。この手に、足に、杭を打ちつけられようと、石礫投げつけられようと、…

20120915 --585

「でも、たどり着けるかどうかはあなた次第」わたしに手を差し伸べながら、時の魔女はそう言った。「あなたの思いが強ければ強いほど、望む時を手許に引き寄せるわ」深く頷いて魔女の手を握る。「さあ、いってらっしゃい」そしてわたしは、祈るように目を閉…

20120914 --584

世界を漂う。それはまるで目覚めようともがく終わらない悪夢の中。 #twnvday #twnovel posted at 23:03:59

20120914 --583

時を漂う。それはまるで目覚めを知らぬ永遠の夢の中。 #twnvday #twnovel posted at 23:02:44 ついのべの日のお題は「目覚め」

20120914 --582

『次に目を覚ます時、わたしは何を見るだろう。繰り返す時の中で、増え続ける世界の中で、たった一つの願いを叶える為に手繰り寄せるこの糸の先は、どこに繋がっているのだろう。どこを通って辿り着くのだろう。……意識が遠のいていく。わたしが、目を覚ます…