"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

20110520 --(364)

「深き闇夜のあればこそ光り輝く昼が際立つように、大きな苦難を乗り越えた先にしか味わった苦難以上の充実はない」スポットライトの下、俳優は腹の底から台詞を紡ぐ。一挙手一投足に演じる役が躍り、見る者を舞台へと引き込む。血の滲むような稽古の果てに…

20110519 --(363)

なんとなく眠れなくて、朝が来る少し前、自転車をこいで近所の砂浜にやってきた。座り込んで日の出を待つ。この、夜とも朝ともつかない感じもまた心地良く。そんな中、夜を押し上げながらゆっくりと太陽が昇る。空が、海が、砂浜が輝き出す。そして僕を取り…

20110518 --362

「どうしたらいい?」迷うと彼女はいつも僕に訊いてくる。でも僕はただ黙って聞くだけ。迷いを払うのは、結局は彼女自身なんだ。しばらくすると「ありがとう。まずはやってみるよ」と言って、強い瞳で僕を見つめて立ち上がる。僕はそこで、いつも一言だけ返…

20100514 --361

月よ 夜に 踊れ 巡れ / 翔けよ 独り 舞いて 照らせ / 蒼狼 彷徨 月光 纏い / 往くは 当て無き 荒野 空谷 / 風の 乙女 歌う 朗々 / 月の 夜に 歌え 歌え / 蒼狼 吼える 遠く 滔々 / 月の 夜に 哀哭 咆哮 #twpoem #twnovelposted at 01:43:35

20100513 --360

#twnovel 事ここに至って、震災前の状態に完全に立ち戻れるとは誰も思っていまい。そしてそれが可能だとしても長い道程となり、完遂する前に我々のほうが先に潰れよう事も想像に難くない。ならば、これを契機と考えるべき。我々に必要なのは覚悟だ。変わるこ…

20100513 --359

A「 」 B「 」 A「 ww」 B「 w」 ──C「なあ、あいつらさっきから無言で何やってんだ?」D「パントマイムでボケツッコミ漫才らしいよ」 C「文字だけじゃ何もわからねえな」 D「それは言ってやるなよ」 #twnvday #twnovelposted at 15:31:09

20100513 --358

全国の知事が集まり会見を行なった。都知事が代表で話し出す。「この未曾有の危機に対し、先日の知事会において重大な決定をいたしました」彼らの背後に巨大な看板が姿を現わす。そこには『JPN47』の文字が。「超法規的ユニットJPN47の発足を宣言します。わ…

20110509 --357

僕は今、風になって地球を巡っています。こないだ日本の東北地方に行きました。元気がない人がいたから、満開の桜のまわりを少し強めに吹いてみました。花びらがヒラヒラ飛んで、見ていた人の顔がほころんだんだよ。少しでも元気になってくれるといいな。そ…

20110509 --356

宇宙に飛び出した時、まさかあんなにたくさん飛ぶとは思わなかったなぁ。迷子にまでなっちゃったもんね。でもね、僕はちっとも寂しくなかったし不安にもならなかった。僕を支えてくれるみんなが、いつだって一生懸命考えてくれて、声をかけ続けてくれていた…

20110504 --355

「じゃあ今から役割を発表します。花さかじいさん、被災地の桜、マシマシでお願いします。金太郎さん、要石を持って鯰押さえに行ってください。浦島太郎さん、竜宮城に行って乙姫様に波の管理の徹底、お願いしてきてください。で、桃太郎……って誰だー桃太郎…

20110504 --354

歌で世界は救えない。歌は何も解決しない。歌は無力。 ──でも、だからわたしは歌うのよ。歌を聞いた誰かの心が癒えるかもしれない。明日を生きようって思うかもしれない。そんな可能性があるなら、わたしは歌わずにはいられないわ。歌は無力よ。だけど、それ…

20110503

風に恋する。 #twnovel7posted at 13:59:29

20110501 --353

地震のせいですべての電車が止まった。再開の目処も立たず、仕方がないから仕事先から歩いて帰ることに。長距離を歩くには慣れない革靴で段々と足が痛くなる。それでも立ち止まろうとは思わなかった。途中で鉢合わせた君が一緒に歩いてくれたから。なんて恥…

20110429 --352

#twnovel 避難所のTVは英国の華やかな結婚式を映す。視界の端で追いつつ、彼女に問うた。「俺でいいってか」彼女は肯いた。「家も金もねえ。家族も津波にやられた。それでも? ……結婚式もできねえぞ」「大事なのは結婚式挙げるかどうかじゃないんだわ。あん…

20110427

指先に感じる。 #twnovel7posted at 17:49:18