"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

20150311

頑張ろう? 何をだよ。大変だったね? 今も大変だ。これからどうするの? 俺が聞きたいわ。辛いのはあなただけじゃない? 言われるまでもない。あなたのそばにいるよ?  は? 俺のそばにいてどうすんだよ。こうやって言葉を交わしていたい? なんで、なんでそこまでするんだ。 #twnovel

posted at 23:29:25

20150310 --785

表示試験は成功だ。たった一文字。たった一文字だが、それは『彼女』が自発的に発した言葉であった。よし。私の理論は間違っていなかった。プログラムとマシンのスペックはこれから如何様にも改善の余地があり、また新たな技術が補強してくれるはず。いける。このまま進めていこう。 #twnovel

posted at 02:52:43

20141210 --783

「戻りなさい」声は告げた。「次に目覚めた時に君達はもうここを思い出せない。だがそれは正しい。忘れられるというのは人に与えられた特権だ」少年は瞬きをし、周囲を見渡してから言った。「仰る意味がよくわかりません。それにここには僕しか」言い終わる前に世界は闇に包まれた。 #twnovel
posted at 18:37:55

20141210 --782

その声は男であり女であり、老いた者を思わせながら幼くもあった。いくつかの問答をこなすと、声は次が最後の質問だと言った。「本当は何が欲しかったのだ」しばらく考え込んでから少女は答えた。「場所が欲しかった。生きる為の時間はあったから。ただわたしには、場所がなかった」 #twnovel

posted at 18:25:03

20141210 --781

その声は男であり女であり、老いた者を思わせながら幼くもあった。いくつかの問答をこなすと、声は次が最後の質問だと言った。「本当は何が欲しかったのだ」しばらく考え込んでから少年は答えた。「時間が欲しかった。生きる為の場所はあったから。ただ僕には、時間だけがなかった」 #twnovel
posted at 18:23:35

20141204 --780

世話役の研究員に連れてこられた部屋には自分よりも幼い女の子がいた。不意の登場に驚いたのか怖かったのかはわからないが、慌てて彼女に付き添っていた女性研究員の後ろに隠れ、そっとこちらの様子を窺ってくる。その一連の動作は、以前本で読んだ小動物の警戒行動を思い出させた。 #twnovel

posted at 11:55:52