"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

創世記

20100912 --294

「原始大綱の例外世界実験が始まったな」「神が複数存在する世界、うまくいくでしょうか」「大綱の直接適用はその世界が持つ力を極限に低下させ、寿命を早めてしまう。大綱を多数の神に分けて代行させ、世界の力を摩耗させずに条項の執行ができれば、永年運…

20100912 --293

原始世界より混沌に現る神一柱。くるりと回って神ニ柱。混沌消えて天と地に。地の神回って神四柱。四方に向かって方位を宣す。天の神回って神ニ柱。天駆け巡る昼の神と夜の神。四方の神回って神十六柱。あらゆる生き物の基となる。回り続けて八百万。やがて…

20091029 --100

馬鹿な。アレが神の祝福なものか。作ったモノが意にそぐわぬからと、その力を奪った挙句人間に魂を封じ込めやがった。ヴェンテーラなど、かわいそうに、魂を2つに裂かれた上でだぞ。この世界を創った狂ったヤツの行為が、神聖なる《創世記》として伝えられて…

20091029 --99

神様が去った世界で、人間達はよく信仰し、教えをよく守り、力を合わせて生きていきました。別の世界から攻めてきた魔物妖物とは《四神竜の血に連なる者》を中心に戦って追い返しもしました。幾多の困難を乗り越えつつ、人間はついに世界で一番幸福で繁栄し…

20091029 --98

神様は帰ります。神様が生まれた原始世界に。そこは個が融け全になる、謂わば存在自体がひとつの世界。稀にある外部からの刺激によって飛び出した泡が神様になる、孤独であって孤独ではない場所。今融けた神様の経験は世界に蓄積され、原始大綱に何らかの変…

20091029 --97

神様が去っても世界が闇に包まれぬよう、昼に太陽を、夜に月を作りました。更に四神竜の力を4つの大きな石柱に宿して世界の要に据え、その力を引き出せる人間を《四神竜の血に連なる者》としました。そして神様は言いました。「幾久しい幸福と繁栄があなた達…

20091029 --96

当初の目的から離れてしまって残念に思いましたが、神様は人間も四神竜も咎めませんでした。作ったものが創造主の意を超える経験など滅多に得られないからです。そう、残念に思う以上に嬉しかったのです。神様は、世界を四神竜と人間達に託し、元いた世界に…

20091029 --95

人間はもう、ただ神様だけを慕い愛すことはしなくなりました。信仰厚き善き者達ではありましたが、人間同士で愛し合い、語り合い、生きるようになりました。それは人間が「自由」を手に入れたからです。神様は思いました。「どうしてだろう。独りの時より、…

20091027 --85

人間は男と女になり、子供を生みました。ひとりふたりと増えていきます。時が経ち二十人程に増えた頃、ようやく神様が目を覚まし、世界は再び光に満ち溢れました。神様は人間が増えている事を確かめ嬉しそうに歩み寄りましたが、人間達は人間同士で楽しげで…

20091026 --84

神様が休み、世界は闇に包まれました。四神竜は人間に性別を与え、さらに祝福(地を司るマドレーテラが慈愛、水を司るオセアーノが寛容、火を司るフィアーマが勇気、風を司るヴェンテーラが自由)を授けました。性別と祝福の授与が終わり、あとは神様が目覚…

20091026 --83

性別を与えて増やすにしても、もうひとり人間が必要です。神様は自分の複製を新たに1体作りました。自分の複製を2体も作ったことでさすがに疲れてしまった神様は、最初に生まれた4匹の竜《四神竜》を呼び出し、自分が休んでいるあいだに人間に性別を与えてお…

20091025 --82

奇跡の大部分を封じている為、人間はいつか老いて死にます。基礎螺旋の寿命制限を解除するのは難しく、失敗すると人間が人間でなくなる可能性がありました。折角できた話し相手を失いたくない神様は制限の解除に代えてこれまでなかった性別を与えて人間同士…

20091025 --81

神様は喜びました。ですが生まれたばかりの人間は何もできません。神様は生きていくための信仰と言葉と知恵を人間に教えました。人間は優秀ですぐに覚えて使いこなすようになり、やがて立派な神様の話し相手に成長しました。時が経ち、困ったことが起きまし…

20091025 --80

自分の魂と肉体を複製してみよう。しかし全て自分と同じ者では神が複数になってしまう。神様は一つの世に唯一無二と原始大綱にあります。そこで神様は複製した魂と体が持つ奇跡の大部分を、体を構成している基礎螺旋の中に封じ込めました。今度はうまくいき…

20091025 --79

次に神様は作った者に自分の魂を分け与えてみましたが、今度は体が魂に耐え切れず死んでしまいました。また神様は死んでしまった者を焼きました。するとそれは様々な動物と植物になって世界の隅々にまで広がり、生態系を形成していきました。神様は考えます…

20091025 --78

昔、神様は独りでした。寂しくなった神様は自分と同じ姿形の者を作り、話し相手にしようとしました。塵からできたそれは、しかしすぐに死んでしまいました。魂が入っていなかったからです。神様は死んでしまった者を焼きました。燃やされたそれは4匹の竜とな…