"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

寝たい

20130225 --676

携帯抱えて横になる。両手で包んで顔の前。まるで何かに祈るカタチと、気がつきひとり苦笑い。声が聞きたい、そう願うけど、そこに特別理由なく。思い出したように望む番号表示させては、思い直して終了ボタンをそっと押す。どうやら今夜も眠れない。毛布の…

20130207 --661

眠れないのでPCいじってたら携帯にメール着信。後輩から。内容は一言。んだよ気になるじゃねえか。履歴から番号を探してかけた。「どうした?」電話の向こうは何故かうろたえていて、それが妙に可笑しかった。「ん? おう、おやすみ」誰かに、そう言いたい夜…

20130207 --660

送信ボタンを押した。メールの内容は一言。『起きてます?』まあ寝てるだろうと苦笑しつつ携帯を置こうとしたら着信音が鳴った。メールじゃ、ない。「どうした?」かかってきたらかかってきたで反応できずに狼狽する。「あ、いえ。あの……おやすみなさい」「…

20130205 --658

「寝ないんですか?」焚き火に枯れ枝を加えていると、火を挟んだ向こう側から声をかけられた。「あ、起こしちまったか。すまん」モゾモゾと毛布の塊が起き上がると、ぽこっと小さな頭が現れた。「気にかけてくれてありがとな。ま、俺は大丈夫だから寝直して…

20130205 --657

眠る君の髪に触れたくて、そっと手を伸ばす。掬い取った一房は、しかし君の僅かな身動ぎでするりと逃げる。秘密の花園の奥の奥、茨に守られた館の主は未だ眠りから覚めない。目覚めの儀式はとっくに終わっていて、呪いももう解けている筈なのに。王子の溜め…

20130201 --655

寒い夜。狭い部屋の薄い布団に、身を寄せ合って暖をとる。暗い部屋の、遮るもののない窓から見える明るく広いあの街に、いつか行ってみたいねと、語る希望は強く大きく。やがて来る日に期待寄せ。そうしてひとしきり言葉を交わすと、迫る眠気に身を委ね、お…

20130130 --652

仔羊達よ、眠りなさい、眠りなさい。その眠りは次の朝日を受ける為の大切な儀式。決して疎かにしてはいけないものです。大丈夫。貴方達が安らかに眠る間、勇敢な月と星が夢を守ってくださいます。次に目が開くのは太陽の兆しが東の空を染める頃。それまでゆ…