"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

月変わり

20140204 --751

甘い香りがうっすらと、風に乗って流れてきた。振り向くとそこには梅の枝を抱えた睦月が立っている。「待たせたね、如月」言いつつ襷と共に枝を渡された。「沢山咲いてるけど蕾もあるから、そっちで咲かせて欲しいと思って」「そっか、了解」まだしばらくは…

20140101 --750

鐘の音が大晦日の夜に響き渡る。ようやく年越しの準備を終え、扉の前に辿り着いた。あとは引き継ぐだけだ。やれやれと胸を撫で下ろす。振り返れば今年も色々あった。だけど、辛いことも楽しいことも全部、きちんと来年に届けたい。さ、時間だ。そして師走は…

20131206 --744

どうにも寒いと思ったら夜半には雪が降り出した。軒下で時間を潰していると、息せき切って駆けつける者がひとり。「遅れてすまない、霜月」随分と待ったが、待ち人が彼たる所以を思えば仕方あるまい。「忙しいところ悪いね。あと少し、君に任せたよ」そう言…

20131106 --738

金木犀を残して神無月が去る。その背中はどこか疲れていた。神様の引っ越しや災害で失われた命に対して必死に祈りを捧げたからだろう。残る霜月は鼻孔をくすぐる花の香りに安らぎを感じつつ、次に神無月と交代する時には晴れやかな顔でいてくれるといいと願…

20131001 --731

長月に伴われて、月の境目に文月と葉月がやってきた。「今年の夏はあまりにも暑かったので」ぼそっと文月が呟く。「北へ北へと進んでいたら、今度は寒くなってしまって」続けて葉月が言った。「いつの間にやら秋でした、と」長月が結んだ。神無月はため息混…

20130701 --718

片手で傘を差しつつ水無月が来た。もう片方の手には閉じられた傘。月の入り口で雨宿り中の文月の為に持ってきたらしい。「今年の空はなかなかに気まぐれで」水無月は言う。「どこで降られるかわからなくて」それを受けて文月は笑う。「ありがとう。手紙を書…

20130607 --708

桜の勢い、いよいよ北端に辿り着き、それと時を同じくして、皐月が去り行く、春を連れて。「また来年、綺麗な花が咲きますように。祈りの言葉を木々に宿らせましょう」そう言い残し。水無月はそれを見て、入れ違うように夏と来る。その足もとを彩る紫陽花に…

20130505 --705

卯月が皐月に襷を託す。儚い花の咲くのを添えて。「今年は少し、暖かくなるのに時間がかかるかもしれない」と卯月が言えば「でもきっと遅れた分だけ素敵な季節になるはずよ」そう言って皐月は朗らかに笑う。とはいえ暦はもうすぐ夏。北方も早く過ごしやすく…

20130402 --695

不意の暖かさに桜は目を覚まし、冬を追い立てるかの如く弥生の平地を足早に駆けた。漸う卯月が追いつけど、辺りは既に花びらを手放し、新緑が顔をのぞかせる。枝に身を寄す小鳥が歌う。新たに始まる一年に、これから出会う一縁に、期待と希望と祝福を。 #twn…

20130301 --678

梅の香振り撒き2月が去った。替わりに来たりし3月は桃の香広めに有心に踊る。癒えぬと言えぬ心持つ、誰かの為に寄り添い歌う。春近し。春近し。やがて咲く咲く桜を待てと震える大地を風駆けぬ。春近し。春近し。雪の中より萌黄も謳う。渡り鳥らが支度する。…

20130201 --654

1月よ、なにも最終日ギリギリ、あと数分で2月というその瞬間に暴れなくても良かろうよ。おかげで最初に考えてたついのべが頭からすっ飛んでいった上にTwitter自身も鯨がしばらく陣取るハメになってしまった。ん? 来たか2月。スタートから波乱だが1ヶ月よろ…

20121231 --645

お、出発の準備ができたか。今年のすべてをまとめ上げるのは大変だっただろう。まあそんなに長くはないが、時間までここで休むといい。今年はどんな年だった? 良かったかね? 悪かったかね? ……答えは来年に託す、か。うまいことを言うな。ふむ、じゃ、さよ…

20121130 --606

「メーデー! メーデー! メーデー! こちらは11月、11月、11月! メーデー! 11月! 位置は30日。24時間以内に12月が来る! いつの間にか周囲は2013年に制圧されてしまった。至急救助されたし! 搭乗人数は地球1個分! メーデー! 11月。オーバー」 #twnove…

20121031 --602

Trick or treat! はっはっはっ。まさか自分が言われるとは思ってなかったって? 甘いぞ、10月。これをやらなきゃ今月は終われんよ。お、そろそろ11月と交代だな。仕事上がったら聞かせろよ。何って? お前出雲行ったんだろ? 神様合コン、どうだったんだよ。…

20120930 --588

九月、九月よ……っ! まんまとやってくれたな。八月からの暑さを弱め、そのまま平穏な秋に移ると思ったら最終日に台風なんぞを連れてきおって! 今日が何の日か知っておろうか。十五夜、中秋の名月ぞ! なんてことをしてくれたのだ。……仕方がない。十月の十三…

20120901 --576

来たか、九月。豊穣の女神に愛された月よ。熱狂の八月の次にやってきたお前から、爽やかな風が吹くことを期待しているよ。 #twnovelposted at 01:03:58

20120731 --570

往くか、七月よ。悲嘆と歓喜と熱狂を、世界中に降り注いだ七月よ。 #twnovelposted at 23:18:53

20120701 --568

六月よ、いくら梅雨の季節だからといって、台風を連れてくるのは如何なる意図あってのことか。末日に夏越しの祓えで茅の輪をくぐり厄を祓ってみたが、はてさて今年後半、どうなるだろうな。前半ほどの波乱万丈はない、と切に願いたい。お、行くか。引き止め…

20120531 --553

嗚呼、5月、5月よ。31日もあったはずなのに、なんともうお前と別れなくてはならないのだ。GWに始まり、痛ましい事故を抱えながら、しかし素晴らしい天体ショーを見せてくれたな。終盤の雷雨はきっと予定外の事態だったんだと思っておくぞ。……さぁそろそろ時…

20120501 --539

四月よ、前半の寒さにはこちらも肝を冷やしたが、後半で鮮やかに春に復帰したな。むしろ夏をフライングさせた気がするぞ? ……まあいい。見事な桜を咲かせた功績に免じてこれ以上の追求はすまい。ほら、五月が来ている。引継ぎが終わったら旅立つんだろう? …

20120331

3月よ、お前は少し長めにいてくれたな。しかしもう時間だ。お前もいってしまう。たくさんの人の悲しみを背負ったお前と一年振りに再会したのが昨日のように思える。また来年だな。お前を迎えるまでの1年で、何かが変わり、進み、誰かが笑えるように、わたし…

20120301

2月、2月よ。お前も逝ってしまうのか。29日という残り香を漂わせながら、逝ってしまうのか。posted at 00:01:11

20120201

やあ、2月。一年ぶりだな。……うん、1月は一人で行っちまったよ。何度か思い留まるように、俺も俺以外の奴も言ったんだがな。説得し切れなかった。お前は大丈夫だよな、2月。去年より一日でも長く一緒にいてくれよ?posted at 06:30:22

20120131

1月よ、また来年、、、!posted at 23:59:30

20111130

俺が12月を食い止める! お前らは逃げるんだ!!posted at 23:58:38