20141029 --775
「運命とは変えるものか、従うものか、逆らうものか、任せるものか。お前は、どれを選ぶ?」やけに大きく見える満月を背に、男が右手を差し出す。恐らく、この手を掴んだ瞬間から、動き出すのだ。ひとつしかないと思われた先が実はひとつではなく、無限に存在していると、知るのだ。#twnovel
posted at 12:48:17
20141026 --774
厚い雲が月光を阻んでいた。周囲を照らすのは従者が持つランプの明かりだけ。この湿度では雨がいつ降ってもおかしくない。雨除けの皮衣を背後の荷物から出しながら、騎乗の娘は遠くに聞こえる梟の鳴き声に耳を澄ます。首都を出立してからもう六日か。目指す場所には、まだ着かない。 #twnovel
posted at 15:39:27
20141025 --773
運命とは苛烈でしょうか。未来とは暗澹ですか。誰の上にも、どこにいようとも光は注がれるはずなのに、何故我々にそれは与えられないのですか。望むことすら罪ですか。心の中で求めることも許されず絶望を啜り無力を糧に生きろ、と。そんなもののどこが生きていると呼べるのですか。#twnovel
posted at 13:47:11