"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

2009-12-02から1日間の記事一覧

20091201 --189

月の美しい夜は、何故だか血が騒ぐ。TLに流れる言葉に、自らが紡ぐ言葉に、それを見出そうとしてしまう。頭の中で辞書がフル回転だ。月光を浴びながらどこで駄洒落るか必死に探す自分。そしてそれでも駄洒落ついのべの投下を決行しちゃう自分に、結構なこと…

20091201 --188

そこは美しい月の夜しか行けない場所。訪れた男女は一様にうっとりと月を見上げて時を過ごすという。秘湯「月混浴」。観月の名所に湧く温泉で、今宵もたくさんの男女が月を見上げている。さあさ、お盆に銚子と盃を持って参りましたよ。いっちょ浸かりながら…

20091201 --187

歌いたい。歌いたいの。わたしには歌しかないの。空を自由に飛べる翼も、海を自由に泳げる尾鰭も、わたしは持っていない。あるのは声。歌う為の声。歌だけがわたしをわたしと証明してくれる。どこにいても、歌うことができれば、それはわたし。だから歌わせ…

20091130 --186

人を殺して逃げました。頭を持って逃げました。人目を憚る愛を交わしたあの人の、頭を持って逃げました。これでもうあの人はわたしだけを見てくれます。「愛しています」頭を抱きしめながらわたしが愛を囁くと「ああ、俺もだよ」と、あの人は頭だけになって…

20091130 --185

「ママ聞いて! すごいことに気づいた!」台所で洗い物をしていると興奮気味に娘がやってきた。「ほほう、聞こうじゃないか」「『いくらはいくら?』!」「!」「『いくらはいくら?』だってーw」一人でウケている。神様、これはいつもわたしが駄洒落ついの…

20091130 --184

「人を殺して逃げました。大好きな人を殺して逃げました。僕だけを見て欲しかったから。僕だけを好きでいて欲しかったから」無表情で男はそう言った。「では、殺したことで彼女はあなただけを好きになってくれましたか?」検察官の問いを聞いた途端、男は泣…

20091129 --183

「あなたの重大ニュースは何ですか? 教えてください」「6年生の時に、学校にいたのに捜索願いだされそうになったことかなあ? 親に連絡せずに残ってたのがまずかったみたい」「それは大変でしたね。で、重大ニュースは何ですか?」「え? 今のだよ。十代ニ…

20091129 --182

狭い部屋で、僕はまだ見ぬ地に思いを馳せた。そこは花の都と呼ばれており、街中が一年中花で彩られているという。綺麗なんだろうなあ。《目的地上空です》機械の無機質な声。予定通り僕は釦を押した。爆撃機から沢山の焼夷弾が投下される。花も街も、全てが…

20091129 --181

人を殺して逃げました。人を殺すのはルール違反ですが私にはその人が人に思えませんでした。何故ならご主人様が大事にされている犬のポチを笑いながら虐めたのです。「参ったなあ」警部は唸る。最近、メイドロボが独自の判断でルールを破る事件が頻発してお…

20091128 --180

ただ、ルドルフ爺さんが出るとなると首都防衛の守護者が不在となってしまう(守護者には首都防衛任務ってのが持ち回りで有り、今は爺さんが担当中)。どうするのかと思ったら爺さんはなんと俺を首都防衛代行に指名した。興奮したのは言うまでもない。俺、遂…

20091128 --179

そんなある日、大陸北部の地下迷宮に住む魔物が近隣の街道で旅人を襲い、複数の犠牲者を出したという報告が入った。二日前に6人の狩人が退治に向かったが、犠牲者を増やしたに過ぎなかったらしい。他の守護者はそれぞれ依頼を遂行中だったので、ルドルフ爺さ…

20091127 --178

研修中でも政府や民間の依頼があればルドルフ爺さんは赴いた。実戦からも学べってことで何度か同行したが、おいおいこれは一人じゃ無理だろってことばかりだった。一応政府や他の級で手に負えない魔物退治がメインだけど、民族紛争の調停とか災害救助の指揮…

20091127 --177

この鳥居をくぐり続けていけば、いつかは異界に辿り着くのだろうか。あの日、異界はあるのよと言い残して消えた君のように。 #twnovel http://movapic.com/pic/200911270154404b0eb2d0d468f posted at 01:54:49

20091126 --176

ルドルフ爺さんとの半年はあっという間だった。起きてる間は全部修行。朝から晩まで基礎トレーニングやら組み手やら、更に剣術棒術様々な闘法を学んだ。もう爺さんにはどんだけ引き出しあるんだと心底思った。つか100近い爺さんの動きじゃねえって。……これが…