"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

2009-10-21から1日間の記事一覧

20091021 --71

宇宙は酷い緊張感に包まれていた。そんな時、とある会合でのトップの諍いが、そのまま双方の星をも巻き込む事態になった。彼らはソレに必要な具について熱く語り合い過ぎたのだ。Octopus Daikon Nerimono。のちにODN戦争と呼ばれた紛争の勃発である。 #twnov…

20091021 --70

駄洒落大将という、人の言葉を悉く駄洒落にしてしまう妖怪がいる。駄洒落連発で葬式の雰囲気をぶち壊し、婚礼でも駄洒落が過ぎて迷惑ばかりかけていた。弱点ではないが駄洒落大将より先に駄洒落を言うと去る性質がある。駄洒落を先に言わされる事に伴う心労…

20091021 --69

王の傀儡。魔女将軍。それが彼女につけられた渾名だ。王の命令あらば自軍を率いて女子供一切関係なく殺し、町をいくつも滅した。炎に照らされた無表情の内で何を思い感じていたか、後に発見される彼女の日記には懺悔と悔恨ばかり綴られていたが、終ぞ世に公…

20091021 --68

「今更善人ぶっても過去に踏み躙られた者らは納得せぬ」返り血も凄絶な顔に笑みを浮かべ、女将軍は剣を構えた。「王をお諌めできなんだ我も同罪なれば、民の手にかかり死ぬべき」圧政の末の、民衆の蜂起。「さあ歴史に悪名を刻みつけよう。再び同じ間違いが…

20091020 --67

夜空をオリオンが横切っていく。その足下から一筋、流星が零れた。深夜。風もなく、視界を遮る雲もなく、空は星で満たされていた。それはまるで底の見えぬ無音の星海。刹那、吸い込まれそうな錯覚。と同時にオリオンの左肩から流星一つ。静の中に動を見い出…

20091019 --66

先日センとロジェがいた待月堂に、今夜はユイが一人。縁側に座り、堂の管理人が煎れてくれたお茶を飲む。気象予言士によれば今夜は雲もなく素晴らしい天体ショーが見られるそうだ。丁度首都にいたユイは、ならば眺めの良いここでと足を運んだ。静かな夜に、…

20091019 --65

新月を過ぎ、途絶えた月光が僅かに溢れ出す。光流がゆっくりと反転して地球への月光路が現われ始めた。ハレは空を見上げる。視線の先には並んだ星が三つ。「お、住吉三神だな」「この季節はあの近くで流星雨が起こるの。月光路に影響するかもしれない」隣に…

20091019 --64

このたび東京23区を舞台に宝探しゲームが開催されることとなりました。使用可能アイテムは「東京フリーきっぷ」、iPhone(充電は各自で対策。充電器持込可)のみとなります。23区内に散らばるヒント用エアタグを頼りに宝を探し出してください。 #twnovel #se…

20091018 --63

その柿の旬は冬。日常生活に深く食い込む柿で、寒い地域では毎日という所も少なくなかった。草木芽吹く春までの間、昼夜問わず用いられる。特に早朝、多く必要とされた。儚いが容赦なく襲いかかってくる白い魔物と戦うその雄姿に、人々は尊敬の念を込めてこ…

20091018 --62

男にとって世界とは渡るものだった。更に言えば捲るものだった。空間を捲ると現われる別の世界。今と違う今に辿り着く。事象の変化率は捲る深度に比例した。そして、男は世界を渡るたびに楔を一つ残した。時間を渡る女が、いつかその世界の時間にやってきた…