"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

2009-10-06から1日間の記事一覧

20091006 --25

なにもみえず なにもきこえず ここは なにもないせかい わたしのいしきだけが たゆとうせかい だから あれからどれくらいたったのかわからない でも よかんがする もうすぐなにかがうごく そしてわたしは いずれかの「とき」へ あのひとは みつけてくれるか…

20091005 --24

水の精霊指定都市の市長は任期200年を超える人魚だ。行政にそれほど熱心ではないが、市民をいかに楽しませるかに心血を注ぎ、今夜もどこかの家の水路から突然飛び出して家人を驚かそうとしているらしい。だが市民も慣れたもので現われた市長に適当にご飯を与…

20091005 --23

「ご決断を」と助手が言ってきた。首都長の依頼を受けて首都から比較的近い衛星都市に赴いて2日、そろそろ決めにゃならん。「既に《地》と《風》は他の都市に割り振られています。ここは工業系都市ですから《火》が適切かと」「そうだな。では《火の精霊指定…

20091005 --22

@sakuyue 一年中強い風が吹いている、大陸南方の都市ヴェント。精霊術師でなくてもシルフを目視できるほど風の精霊力に満ちた「精霊指定都市」だ。悲鳴と共に、今日も洗濯物が空に舞う。如何にして風に飛ばされずに乾かすか、ご婦人方と風の闘いは続く。 #tw…

20091005 --21

気象予言師でも間違えることがあるらしい。依頼主がいる村へ向かう途中、街道で土砂降りに遭ったロジェは、すぐ脇の大木の下で雨宿りをしていた。足元の荷物からタオルを出し髪を拭く。西の方角を見やると、まだまだ黒雲が続いていた。「やれやれ、あと1時間…