"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

2009-12-04から1日間の記事一覧

20091204 --195

公孫樹並木が続く首都大門前。見事に黄色く染め上げられた葉が風に乗ってはらはら落ちてくる。それを背に受けながら、守護者ルドルフは大陸北部に向けて出発していった。俺は門のところでしばらく見送ったあと、防衛隊舎に向かう。よっしゃー! 俺は俺の仕事…

20091204 --194

《大結界》は目の粗い笊みたいなもんだ。魔物の大物(魔力が強いって意味で)には効果があるが小物は通してしまう。守護者の首都防衛任務とは首都内を見回る防衛隊の統括が主な役目で、実際に見回って歩くものではない。まあ俺は状況把握や勉強も兼ねてつい…

20091203 --193

「すきよ」少女の言葉に俺は面食らった。ついでに持ってるものを落とした。手が震え、足に力が入らなくなった。衝撃。まさにドンッときた。すげえきた。胸にあたたかいものが溢れ出て来る。「隙よ」胸から生えたナイフを見て、俺は「駄洒落かよっ」とツッコ…

20091203 --192

ある程度の幸せならば、何の冒険をせずとも享受できただろう。だがわたしは知ってしまった。望むものが大きければ大きいほど、それを掴む為のリスクも増すのだと。そしてわたしは知ってしまった。わたしが望むものを。どれほどこの手を血に染めようと、手に…

20091203 --191

あの人は いつかわたしに 追いつくかしら あの人は いつかわたしと 再会するのかしら 流れ行く「時」の中で 無限に分かれていく「世界」の中で どうか 伝わりますように わたしはここにいます あなたを探しています あなたを――愛しています どうか 伝わりま…

20091202 --190

「馬鹿者、あと半年は修行じゃ」……そんなとこだろうと思ったけどさ。明晩守護者の一人が首都に戻るから、それまでの繋ぎだと。たとえ繋ぎでも、一日任せられると判断されたことに一瞬心躍った。が、浮かれてもいられない。首都に住む200万の命を預かるんだ。…