"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

2011-12-13から1日間の記事一覧

20111213 --487

「……今年はスコーチャだろうねぇ」話し合いの最後に出てくるのは決まってその名前でした。三月にあった大火事の時に、いつもは悪戯で使っているという抜け道を使って、炎に囲まれた病院から大勢の人を逃がした男の子です(もちろん悪戯についてはしっかりお…

20111211 --486

雲間の月光がまだらに地面を染める。馬上で月を見上げる男が時折漏らす鬼気を、注意深く観察する。いっそ狂気に流されたほうが楽だと彼はここに来る途中で言った。彼をしてそう言わしめる苦痛とは。想像だにできない何かを抱えている彼を、少し離れたところ…

20111210 --485

じわりじわりと、影が月を蝕む。それは心底の奥の奥に眠る、本来の彼を象徴するかのような狂気を揺さぶる。何度これに耐えてきたかはもう数えようがない。が、何度耐えてきても一向に慣れない。毎回ぎりぎりのところで耐えている。──センは雲の間から顔を出…

20111207 --484

貴女がいなければ、息もできない。 #twnovelposted at 22:02:46