"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

2009-12-07から1日間の記事一覧

20091207 --200

わたしは待つ。様々な思考が泥のように混融する心の底から、言葉が浮かび上がる瞬間を。努々油断ならない。語るべき言葉が浮かぶ瞬間に前兆などないからだ。浮かび上がった言葉をパズルのように組み合わせ、かちりと嵌まったところで放流する。わたしの #twn…

20091207 --199

「俺ら、最近の若いモンはってよく言われるけどさ、そう言う大人こそ自分棚上げだよな」「だな。昨日電車で婆さん乗ってきたんで席譲るのに立ったら、明らかにその婆さんより元気なババアが婆さん追い越して座りに来たぞ」「最近の古いモンはロクでもねえな…

20091207 --198

夜中、予定より少し遅れて守護者フィガロが首都に到着した。俺は大門まで迎えに行き、隊舎へ戻る道すがら口頭で引継ぎを済ました。口頭で済んだのは大したことがなかったから。敢えて挙げるなら、見回り中に寄った酒場で酔っ払いが暴れていたくらいだ。何事…

20091206 --197

冷たい朝の風で紅葉が一枚二枚と散っていく。くるくると回りながらあちこちに落ちてくる様は幻想的で、時間が許すならいつまでも見ていたいと思わせるほどだった。季節の移り変わりを知らせる何かは、どうしてこうも人の心を動かすのだろう。ユイはその手に…