"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

2011-07-08から1日間の記事一覧

20110708 --389

ふとセンが足を止めた。桜月館、例の肖像画の前である。しばし無言で眺めたあと、何事もなかったようにその場を去った。 #twnovelposted at 14:05:11

20110707 --388

肖像画の前にユイが立っている。(この人は)驚いた。大聖堂でペンダントをくれた女ではないか。(でも──)顔は同じなのだが、どこかに違和感を覚えた。(そうだ。少なくとも、こんな寂しそうじゃなかった)あの時は見る者に安堵感を湧き起こさせる笑みを浮…

20110707 --387

桜月館のひと気のない場所にその肖像画はかけられている。長い黒髪の女性で年の頃は十七かそこらか。髪と同じ黒いドレスを纏い、椅子に座ってこちらを見ている。その口元に浮かぶ儚げな笑みは見る者の心に言い様のない切なさを等しく生じさせた。この娘が誰…

20110707

逢瀬は見せない RT @an2a_09: 天から逢瀬の涙 #twnovel7 RT @kiyoshiro_aoi:今宵あの場所で #twnovel7posted at 07:45:50

20110706 --386

桜月館は大聖堂の東側にある洋館だ。敷地内に大きな桜の木が1本あり、満開に合わせるように月が上を通ることからその名で呼ばれている。守護者達の執務室があり、また首都に家を持たぬ者の官舎としても使われている。故に部屋数も多く、さながら小国の城を思…

20110625 --385

「貴女も私もシンデレラ!」「右も左もシンデレラ!」「出るわ出るわとシンデレラ!」「全員ほんとにシンデレラ!」「さあさあどうする王子様!」「誰を選ぶの王子様!」「迫る迫るよシンデレラ!」「答えて頂戴王子様!」「気づけば潰れてシンデレラ!」「…

20110622 --384

天の御使いを討った者は太陽の光に当たると死ぬ。何故なら太陽は天の意思だからだ。例外はなく、たとえ御使いが悪い場合でも変わらない。二度と太陽の下に戻れず、死ぬまで夜を彷徨うことになる。弱々しい明かりに照らされる、おぼろげな輪郭の世界。そこは…

20110619 --383

世界の終わりとは、緩やかに、大部分の人には「まさか終わるなんて」と気づかせないように忍び寄る、そんなものじゃないかと思っていた。しかしアレは、「突然に、暴力的に奪い去られる」終わり方もあると示した。アレから100日経った。世界はまだ終わらない…