"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

世界の絵

20131210 --749

画商が店の奥から一枚、絵を出してきた。画布の真ん中に大きいな白円。その周りを黒の絵の具が厚く塗られている。見覚えのあるタッチだ。六枚目だ、と画商は言う。五枚の連作ではなかったのか。「これはだいぶ後、画家が死ぬ直前に描いたらしい」題は《また…

20131210 --748

三枚目と四枚目。縁取る白線が右回りに一本ずつ増えていく。題すらない。五枚目。縁取りは左辺に達し黒を囲んだ。この五枚の絵(と呼んでいいかは別問題として)は連作で、《混沌》は《原始世界》に包み込まれているということを言いたいのだろうか。題は《…

20131209 --747

二枚目。画布の大部分は一枚目と変わらず黒で塗り潰されている。違うのは上辺。端から端まで指ひと関節分ほどの幅の塗り残し……いや、白の絵の具が塗られている。こちらは筆で均一な塗り方だ。作者名はこれにもない。また題名らしきひと言が添えられている。…

20131206 --745

一枚目。画布は黒で塗り潰されている。面は均一ではなく、パレットナイフで所どころ厚く、または波打つように絵の具が乗せてあり、それが影を落としてより一層暗い部分を作り出していた。作者名はない。ただ、題名らしきものがひと言添えられている。《混沌…