"twinovels" di senzaluna

自分が書いたtwnovelなどのまとめ

こたみか祭

20091001 --14

畜生っ。俺はただ床暖房の熱をこもらせる為だけに存在するのか。もうあの熱くたぎる冬の俺には戻れないのか。俺は……! やり場のない思いを抱える炬燵の許に、人影。カチッ。え?「やっぱ炬燵あったけー。床暖、うちのは部屋全体になっちゃうから効率悪いんだ…

20091001 --13

「でも」炬燵は言う。「今年床暖房になったってことは、電熱絨毯の出番はあれ1回きりか」溜飲が下がった面持ちで炬燵は満足そうだ。しかしその満足も蜜柑の言葉で掻き消される。「いや、2階はまだ床暖房じゃないから電熱絨毯は現役で使ってもらえてるよ」 #t…

20091001 --12

去年、俺の下に突然電熱絨毯の奴がやってきた。あいつは容赦なく俺の脚を炙った。俺は意味もわからずその拷問に耐えた。なのに俺はスイッチを入れてもらえなかった。奥方が「炬燵ついてると上の蜜柑がすぐ悪くなるのよ」とご主人に言っていたのを思い出した…

20091001 --11

炬燵は叫んだ。「よっしゃ! 冬だ! 俺の時代! 燃えるぜえ! 真っ赤に燃えるぜえ!」しかし設置された炬燵、一向にスイッチを入れてもらえず困惑する。天板に乗る蜜柑はそんな炬燵に言った。「この家、今年から床暖房になったんだ」炬燵の気迫は空回りに終…

20090930 --10

一人、炬燵に入って蜜柑の皮を剥く。(そういや昔はばあちゃんがチラシでゴミ入れ作ってたな。カブトに似た折り方で)手近の紙で折ってみるも途中までしか思い出せず、むうと唸りつつ背後のゴミ箱に捨てた。今年は実家に帰るか。ばあちゃん達と紅白見ながら…